先日(2014年3月17日)の丹波新聞さんの記事でも紹介していただきましたが、㈱やながわの新しい取り組みが始まりました。
この記事を目にされた多くの方がこう思われたのではないでしょうか?
「やながわはお寺の土産物を販売し始めたのか。」
聞きなれない言葉である「農商工連携」という言葉も難しいので余計にそう思われるかもしれません。今回はこの事業に込められた我々の思いも少しお伝えしてゆきたいと思います。
丹波市という街と特産品
丹波市と聞くと景色が美しくて美味しい特産品が多くある印象を受ける方が多いと思いますが、実際の所特産品の多くは市内で消費される事は少なく市外・県外への出荷が大きな割合を占めております。それも1次産品として原材料での出荷です。その出荷された特産品は丹波では無い場所で加工されて「丹波産」という名前で人気を博しているのですが、丹波産の特産物が有名である事は市内でも意外と知られていなかったりいたしました。
しかし近年、一部の人達の手によってこの特産品の素晴らしさが見直されて市内の人も再び注目をし始めており、農業から離れていた人たちも再び農業を再開したり、またIターンで丹波市に農業などに従事する為に移住されている若者がものすごく増えてきていて盛り上がり始めております。
市内に拡がるいくつもの点
調査によりますと兵庫県丹波地域への平成24年度の観光客数は約400万人。そのうち篠山市に300万人来られており丹波市には100万人ものたくさんの方が観光にお越しになられております。阪神間からちょうど日帰り旅行に適した距離にある為に本当に多くの方が丹波を訪れています。例えば、道の駅「おばあちゃんの里」、紅葉のお寺などにたくさんの人が来られているのです。美味しいと話題のお店も多く存在しております。美味しい特産品、つまり丹波を感じる事ができる食事処は観光ガイドなどにも掲載が多く、ここ近年でも多くメディアに掲載されるようになっております。
兵庫県内でも広い面積を誇る丹波市の各地に広がる点。一つ一つの点はどこにも負けない大変魅力的なものです、それをもっと光らせる方法はないものだろうかと市内で活動されている方々も日々努力をされております。
点と点を結ぶこと…「連携」
神戸の震災復興を祈願して『新丹波 七福神』を祀られている桂谷寺さん、春には素晴らしい桜の名所となり藤の花も咲き乱れます。秋には紅葉で山が真っ赤に染まります。年々観光客が増えてはおりますが、あまり知られていません。
今回、㈱やながわが取り組みました「農商工連携事業」は、農業の方が作ってくださる最高の特産品と素晴らしい観光場所である桂谷寺さんと㈱やながわが連携をしてひとつの土産品を作りだし、それを販売する事で観光に来られたお客様にはもちろんですが、関わる全ての人達の活性化にもつながる様な少し大きな点を作るという取り組みだと思っていただけると分かりやすいかなと思います。
丹波洋風まんじゅう 福禄寿-FUKUROKUJYU-
今回の農商工連携の中で大切な事が3つございます。
1.丹波の特産品を味わえる土産であること
つまり、買ってくださった方が丹波の土産だと思えるものでなくてはいけません。この福禄寿には丹波大納言小豆・丹波栗・丹波黒大豆(黒豆)の3種類の餡をご用意しました。そしてそれを包み込むのは丹波のもち米で作ったスポンジです。食べていただいた方に「丹波」を美味しいと感じていただける事が大切ですので完成には1年ほどかかりました。
2.桂谷寺の福禄寿のイメージを伝えること
『福(幸運)』『禄(身分・財産)』『寿(長寿)』先ほど紹介した3つの餡でこの3つの言葉を表現いたしました。
3.外見も丹波にこだわること
この商品の『福』『禄』『寿』の文字は丹波市出身の書家の荻野丹雪さんに書いていただいております(丹心バウムの「丹心」も丹雪さんの作品)。お酒を嗜まれる方ならサントリーウイスキーの「響」の文字を書かれている方と言えば有名ではないでしょうか。この様に外観にも丹波を感じていただける包装にして販売する予定です。
連携による地域の活性化・そして何よりも観光に来られた人の笑顔の為への連携
今回の農商工連携事業の目的は、特産物を栽培されている農家の皆様(JA様)との連携による農業の活性化。たくさんの特産物を販売する事で生まれる需要によって丹波全体が活性化する事を願い取り組みました。そしてもう一つには観光客としてお越しになられたお客様がこの町を好きだと思っていただけること、もう一度来たいと思える場所だと思ってもらえる事。
県下でもこの事業の認定を受けている企業は実は10社ほどしかありません。その中の1社として認定していただけた事の喜びと同時に、重くのしかかってくる使命感。観光で来られた人だけでなく、丹波の住民の皆様の1人でも多くの方に元気になっていただける様な連携を作ってゆきたい思いで取り組んでまいります。
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